最近の星空

 

★11月の星空

 晩秋というひびきがあまりにもぴったりな11月.木々は、赤や黄に紅葉し、吹きぬめる風はさわやかさを通り越して肌寒ささえ感じる.人の心をセンチメンタルで満たし、だれでも寂しがりやにしてしまう。
 天頂近くにはペガススの四辺形が鎮座し、秋の星座の良き道標となっている.まず四辺形の西側の南北の辺を南へ延ばすと、みなみのうお座のフォマルハウトが見つかるし、北へ延ばせば北極星にぶつかる。こんどは東側の南北の辺を南に延ばすと、くじら座のしっぽの2等星デネブカイトスが見つかり、北へ延ばすとやっぱり北極星にぶつかる。また四辺形の北東角の星を北東方向に明るい星を3つたどると、緩やかなカーブが描ける。これがアンドロメダ座だ。アンドロメダ座のカーブと四辺形をくっつけると、大きなひしゃくの形ができあがる。北の北斗七星、南の南斗六星に対して、天斗七星とでも呼ぼうか。

 しっとりとした秋の夜空だが、ここ数年は土星が加わって、少しにぎやかな星空となっている。

 

今年一番大きな満月
11月5日はスーパームーン
  月は、地球と月の重心位置を焦点とする楕円軌道で回っているため、最も近づいたとき(最近)と、最も遠ざかったとき(最遠)とでは、両者の距離はかなり違ってくる。月は太陽に対して29.5日の周期で公転しているため、およそ1ヶ月の間に必ず最近と最遠が訪れる。そのなかでも11月5日に迎える満月は、翌日最接近となるため大きく見える満月となる。しかもこれは今年最も近づく大最近。いつにもまして巨大な満月となる。
 近年は、このような満月のことを“スーパームーン”と呼んでいるが、スーパームーンという用語は、天文学用語ではなく占星術用語で、占星術師のRichard Nolle氏が1979年に「軌道中で地球に最接近した新月または満月。即ち、地球と月と太陽が直線上に並び、月が地球に最も接近した状態」と定義したそうだ。
 今回のスーパームーンは、地球と月の距離は約351000km、これを視直径で表すと約34.0分角となる。では逆に今年最遠となった満月はいつかというと4月13日。この時の距離は約410900km、視直径は約29.1分角だ。つまり最近と最遠の差は5分角、実に視直径が14.4%も大きさが変化していることになる。