★2月の星空
オリオン座が、夜8時ごろ南中する2月は、寂しい秋と春の星座に囲まれた冬の星座が、一段と華やいでいるときだ。オリオン座の赤いベテルギウスと白いリゲルだけでも十分に目立つのに、おうし座の赤い目アルデバラン、クリーム色のぎょしゃ座のカペラ、金色に輝くふたご座のポルックス、青白く光るこいぬ座のプロキオン、全天一の明るさおおいぬ座のシリウス、さらに南の地平線スレスレのりゅうこつ座のカノープスと、全天に21個ある1等星のうちの8個が冬の星座の中で輝いている。しかもそれらがシンチレーションの影響でいつにも増してダイヤモンドのようにキラキラまたたくのだから、それはもう絢爛豪華以外の何者でもない。今年はさらに火星と木星が加わって、超特別感がある。
カノープスは、中国では南極老人星と呼ばれ、この星を見ると長生きができると言われている。東海地方では、2月は20時から21時ごろ南中する。

新去り行く火星が月と並ぶ
2月9日~10日深夜 月と火星が大接近
先月1月12日の火星接近から約1ヶ月弱が過ぎて、徐々に地球から遠ざかっているが、まだ光度-0.8等、視直径13秒角と頑張っていて、望遠鏡で火星のもようを楽しむことができる。そんな火星が、2月9日から10日にかけて、ふたご座のカストルトポルックスの胸元で月齢11.2の明るい月と並ぶ。

火星が南中する2月9日21時ごろは、火星と月の間隔は4.4度角程だが、その後月は西から東に移動し、2日に日が変わる0時には3.2度角、そして午前3時には1.8度角のニアミスとなる。その以後も月は火星にジワジワ近づき、午前5時には間隔は0.5度角となる。ただし高度は東京で0.6度しかない。高度は西の地域ほど高く、福岡では6度もある。そしてさらに西の中国では火星食が見られる。
月と火星の接近もさることながら、この間の月と火星のランデブーを追いかけることにより、月は西から東へと移動していることが実感できるだろう。
