★8月の星空
太平洋高気圧から吹き出す熱風が温度計の水銀柱をジリジリ押し上げ、アブラゼミとクマゼミの大合唱が暑さを増長する。一番星が見えるころになっても一向に水銀柱は下がらない。「ああ今夜も熱帯夜か」と、夏バテぎみで南西の空に寝そべっているさそり座が、溜息まじりにこぼしている。盛りを過ぎたアンタレスの赤さが心なしか冴えない。南天の星座は南中を過ぎると、あっというまに南西の地平線に沈んでしまう。
さそり座に代わって登場する夏の代表は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結んでできる「夏の大三角形」だ。今まさに頭上に南中しようとしている。天頂付近は透明度がよく光害の影響もあまり受けないので、天の川が市街地でもかすかに見えることがある。そういえば,29日は旧七夕。今年はいつもよりかなり遅め。おりひめ星とひこ星の間を流れていることがよくわかる。

夕明け方の東の空で金星と木星が超ニアミス
8月12日 金星と木星が大接近
6月1日の西方最大離角以降徐々に高度を下げてきたものの、まだ強烈な存在感を見せている金星。一方6月25日の合以降、明け方の東の空に移った木星も目立つようになってきた。
そんな明るさナンバー1、2の金星と木星が、ペルセウス座流星群が極大を迎える8月12日の未明、東の空に昇ったふたご座の中央付近でニアミスをする。金星と木星のニアミスといえば、2022年5月1日に明け方の東の空で0.25度の間隔で並んだ。今回のニアミスはそれには及ばないものの、東の空に昇って間もない金星と木星が、間隔1度角というニアミスをする。
このニアミスは、高度を下げつつある金星に、高度を上げてきた木星が追いつき追い越すときに起こる。8月10日には金星の東2.5度角程にいた木星が、日を追うごとに間隔を狭め、8月12日には横に並ぶ。この時の間隔が1度角となるわけだ。その後木星は金星を追い越して西へ移動し、8月15日には間隔が約2.5度角となる。
ない。 ペルセウス???座流星群を見終わった後は、金星と木星のニアミスを肉眼ではもちろん双眼鏡や望遠鏡でも楽しもう。

