おうし座を行く金星
金星がプレアデスやヒヤデスに接近
これから本格的な夏を迎えるという7月というのに、なんと未明の東の空には冬の星座の代表のおうし座が登場してる。おうし座は黄道上の星座なので、ときどき月や惑星が通過してゆくが、7月はおうし座の中を金星が西から東へと移動して行く。その間に、おうし座の名所であるプレアデスやヒヤデス、月とのドラマを見せてくれる。●7月5日 金星がプレアデスに接近
7月3日から7日にかけては、金星がプレアデス星団の南を通過する。最も接近するのは7月5日だが、間隔は7.6度角といささか離れ気味。実は金星とプレアデスの間には、天王星がひっそりと光っている。金星との間隔は最も接近する7月3日で2.4度角。7倍の視野にはもちろん15倍の視野の中にも入ってしまうほどの接近だ。明るさは5.8等なので薄明中の空では肉眼では見ることはできないが、双眼鏡なら確認できるので、ぜひ探してみよう。
●7月14日 金星がアルデバランに接近
プレアデスとの接近を終えた金星は東に移動し、今度はヒヤデス星団に接近する。接近のようすは、7倍双眼鏡なら7月10日から14日かけて見ることができる。牡牛の赤い目のアルデバランには14日に最も接近し、その間隔は約3.2度角。純白のまばゆい光を放つ金星とオレンジ色の1等星アルデバランとの対比が面白いだろう。

ステラナビゲーター12を基に作成
土星と海王星がニアミス
7月6日 土星が海王星に最接近
15年ぶりの環の消失で盛り上がっている土星が、6月23日に西矩となり、うお座とともに明け方には南中する様になってきた。
5月7日に太陽が土星を真横から照らすことによる2回目の環の消失となり、以後土星は地球対して環の南面を向けてきているが、太陽の光が当らないため、見えるか見えないかの状態が続いている。
実は、この土星のそばでもうひとつの惑星が、夜空にまぎれるようにひっそりと光っている。太陽系第8惑星の海王星だ。
そんな海王星と土星が7月6日に超ニアミスをする。その間隔はわずか0.97度角。それではもう少し詳しく見てみよう。このニアミスは、土星が海王星の南を西から東へ追い越すことによって起こる。5月6月は土星も海王星もうお座の西の魚の南を仲良く順行していて、すでに十分間隔は狭かった。6月5日にはすでに1.5度角を切っていたのだ。その後土星は7月14日に、海王星は7月5日に留となり逆行に転ずるが、ちょうどそのころに最接近となる。両天体の間隔が1度角を切るのが6月27日、7月6日最接近の0.97度角となる。そして7月18日に間隔が1度角を超える。なんとほぼ3週間の間隔は1度角内に収まっているのだ。これはただでさえ移動が遅い土星と海王星が、留前後のさらに移動量が小さくなっているときに起こるからである。
これほどのニアミスともなると40倍以下の視野なら、土星と海王星を同視野で見ることができる。環の消失シーズンを迎えている土星は環が見えるか見えないか。海王星は点像のままだが、青い色合いであることはわかるだろう。


ステラナビゲーター12を基に作成