土星のリングが見えなくなる!?
5月7日 2回目の土星の環消失
今年は、あの美しく神秘的な土星のリングが見えなくなる年に当たっている。これを「土星環消失」と呼んでいるが、土星の公転周期約30年の半分に当たるおよそ15年ごとに土星のリングが地球から見たときにほぼ水平になるために起こる現象だ。
2025年は北から南へ移る年に当たっていて、そのとき環は土星を貫く1本の串のように見えるはずだが、限りなく薄い環は、まるでなかったかのようにほとんど見えなくなってしまう。
土星環消失には、二つのパターンがある。一つは、地球から土星の赤道面を見る、つまり土星リングを真横から見るために起こる。もう一つは、太陽が土星の赤道面を照らす、つまり土星のリングを真横から照らすことにより、起こる。
1回目の3月24日にはパターン1の地球から土星を真横から見ることにより環の消失が起こった。ただし、土星は3月13日が合だったので、3月24日の環の消失は、残念ながら太陽に近すぎて見ることはほぼできなかった。そして2回目の環の消失が5月7日に起こる。今度はパターン2の太陽が土星を真横から照らすことによって、リングに日が当たらなくなるために起こる。もっとも実際は、3月24日の環消失以降ずっとリングが見えない状態が続いている。
土星は、3月13日の合以降は、明け方の東の空に移り、地平高度を夕繰り上げている。5月に入ると日の出60分前の土星は、高度10度程まで昇り、空が朝焼けで染まる40分前で15度程となる。ただし土星の光度は1.2等と決して明るくはないため、空が暗いうちに見る方がいいが、低空のためシンチレーションの影響を受けて増が安定しない。というわけで、東の空に土星が見え始めたら望遠鏡を向け、明るくなるまで観望し続けることがリングのない土星を見るポイントになるだろう。ちなみに土星の北(左)約5度角には-4.5等の金星が輝いていて土星を見つける目印になってくれる。
みずがめ座η流星群を見た後は、望遠鏡を土星に向けてみよう。。
